bon now

ありのままの現実を書き殴る吐き溜め。底辺SEの備忘録。
Written by bon who just a foolish IT Engineer.

正しい野心を考える

Created Date: 2021/11/16 01:50
Updated Date: 2023/11/05 03:00

サカナクションの有料ファンクラブ会員になったことで限定配信されているアーカイブ配信で心が洗われている今日このごろ。どうでもいいけど青春時代に聴いていた音楽はその人の人生にノスタルジックな色合いをずっと残し続けるという論文が合ったような無かったような気がしないでもない。ただ僕にとってサカナクションとの出会いは2008年なので、青春というわけでもないが。

さて、そんな心境でタイトルの件について今日は一日ぼんやりと考えていた。
言葉自体は ベン・ホロウィッツ氏の著作、HARD THINGSに記載のあるものである。簡単に正しい野心についてを説明すると「自分のためや自分の野望よりも先に会社の利益や貢献となることを優先する」ということである。もちろん野心なのでそこに自分がどうなりたい、こうありたいという野望が含まれて入るのだが、それよりも自分の仕事におけるパフォーマンスが会社のためになっているかどうかを最重要視する点が正しさということである。

僕にとってこの価値観の判断基準は、文句や愚痴、反対意見や批判の中にひっそりと潜んでいるものを俺様フィルターによって究極に濾過した上で抽出された液体・・・・ではなくどちらかといえば残滓のほうに、自己中心的だったり自分本位だったりする部分がどの程度あるかっていうところで決めている。
言葉をフィルタリングするためにはある程度コミュニケーションは必要だし、時には強めの言葉を使うこともあるだろうしお互いが本音で会話する必要もあるかもしれない。そのくらいには人間は面倒だし表に出てくる感情と言葉と価値観とが一致しないめんどくさい生き物である。同じことを同じように捉えないことがあるのだから当たり前といえば当たり前だ。

そんな感じで、コミュニケーションって意外と大事だよな……言葉の選び方もすごく大事だな……なんて歳を取るに連れて思うようになったんだけど、どうもアメリカではそうでもないらしいことがIPAのDX白書にも書かれていてわかった。DXというビジネスにおいて、アメリカではコミュニケーション力よりも顧客志向を大事にしていたり業績志向を大事にしていたりする。
つまりこの結果からも、アメリカにおいては「正しい野心の重要性」が明確に存在しているということがわかる。

僕は多くの職場で「顧客視点」だとか「顧客満足度」という言葉を見たり聴いたりしてきた。でも、正直なところ僕以上に顧客のためを思ってシステム作ってる人はそんなにいないなーってまあまあ思っていた。
僕にとっては運用回避ってのはただの甘えだし開発しやすさや実装方針の決定も予算やコスト面での切り口だったりビジネスインパクトという名の利益重視だったりしてなんじゃそりゃって思ったこともある。(もちろん僕もそれを使っていた身なので、ほんとうの意味での顧客志向は持っていないなと今でも思っている)
もちろん長期的な視点で見ればそれは顧客のためだと言えないこともないんだろうけど、短期的にでも自社の利益を優先していくことしか考えていないようであれば、目標は同じであってもその道程で誤ることは多くあるのではないだろうか。

まぁそんなことを思ってチームや上司に口にしたこともあったが、その都度僕の意見が正しく通ったことはほぼなかったなと思ってる。そのせいで「勝手にやればいい」っていう価値観が少し自分の中に根付いてしまった負の遺産みたいなのもある。いつからか「そんなこと言ってもどうせ聞いてくれないし理解してくれないよな。場違いだからやめよう」っていう意識もかなり根付いた気がする。
僕の説明が下手だったのかもしれないし、本当に僕が誤った選択肢を選ぼうとしていたのかもしれない。でも、そんなことすらも相談できなかったり正しさを推し測ることができなかったりしてしまった環境では、自分の正当性さえ曖昧なものになってしまうものだ。

ただ1つ言えることは、それでも信念を持って自分のためではなく、誰かのために行動できる強さこそ野心や野望の動機になりえるのだろうなということである。
少なくとも僕は一緒に働く人、組織、チーム、仲間になっていただけそうな方々に、僕なりの言葉で正しい野心のあり方を知りたいとは思ってるし僕もそれに答えたいなとは思っている。

そんなことを考えつつ「正しい野心ってなんぞや」ということでググると太宰治の女生徒が検索に引っかかってとても面白く読んでしまった。
良い発見だった。僕の気持ちもある意味ではただの批判家で何も生み出していないなってことも分かってしまうのでそこはもうすこし行動につなげていきたいところだ。

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