ムーヴメントはフライパンを温めてから
Updated Date: 2024/01/01 14:47
みなさん、組織や仕事の効率や仕組みを変えようとした場合、どの程度の期間で変えられると思います??
僕は短くとも3年、通常で5年、長くて10年だと思ってます。
身近な例だとMicrosoftを思い浮かべてみてください。あいつらは(失礼)いわゆる失われた10年を取り戻すために現在OSSに歩み寄って来ています。
Windows7が出てからというもの、Windows8、WindowsPhoneなどクソみたいな失敗を繰り返し、
AppleやGoogleにどんどん差をつけられ、さらにはIE氏ねという流行語まで作られる始末にまで落ちぶれました。
そんなMicrosoftでしたが、昨今Githubを買収したり、O365をガッツリ統合ツール化してきたり、クラウドサービスのAzureが好調だったり、
VSCodeとかいう今一番勢いのあるエディタをガンガン作ってたり、アジャイルやかんばんを取り入れて最強のバグ改善プロセスの仕組みを作ってたり、
TypeScriptで型のある安心安全なJavaScriptを定義したりと、もはや枚挙に暇がない状況です。
そう、彼らはここ数年、まあ5年ちょっとの期間を費やしようやく新しいMicrosoftになってきた感じです。
わかりますか。あの天下のMicrosoftでさえ一度変わってしまった文化を変えるのに5年くらいかかってるわけです。 人によっては「大企業が組織を変えることよりも中小企業の方が楽勝だろ」っていう人もいるでしょうけど、 人材をベースに考えれば、その確率は双方対して変わりないと僕は思うのです。 Microsoftには高いお金を支払うことで外部からいくらでもそういう改革好きな人達を集めることができますが、 中小企業はそうはいきません。せいぜい、下手の横好きでなんかやってる人に「あとは任せた」みたいなレベルが関の山で、 ガチ勢が入社してくれてガラッと組織を買えてくれるみたいなのは宝くじに当たるようなもんです。それは運です。 まあ運を手に入れた実力(営業力やマーケティング力)もあるかもしれませんが、そこは本質ではないので割愛します。
ようするに、僕らの見通しというものは得てして、定量的に見積もれるものについてはそれなりの期間を定時できるものの、
経験のないものであっても定性的に「やればできるかも」みたいな物事ってのは甘々のジャッジになってしまうわけです。
僕もそうです。曖昧な要件はお人好しな性格も相まって、とりあえずやりますと入ったものの思いの外時間がかかり、
結局サービス残業して信頼を失わないようになんとかするみたいなやつは何度も経験してまいりました。
組織を変えることも同じです。組織にはチームが存在します。少なくて2人、多くて数十人規模のチームがいるでしょう。
彼ら1人1人はみな価値観やアイデンティティが違います。違う人が集まってチームになっているのですから、
そこに曖昧さがあった場合、それぞれの思考のベクトルはバラバラの方向を向くことになるのは自明なことです。
チームとは1つの目標に向かって進んでいく共同体です。1人でも思考の輪から外れると、そこがボトルネックになります。 冷徹かもしれませんが、そういう人はチームから外さなくてはならないのです。でもそれはお互いのためなのです。 少なくとも、仕事ができないからとか迷惑だからとかそういう意味ではなく、チームとして1つの形になれなかったという恋愛に例えると 好きなんだけど相性が合わないみたいなやつです。なので、別に悲観することはないんです。そう言い聞かせるしかないですね。 僕もそれは経験済みです。どう頑張っても同じ方向を向いてくれなかった人もいます。でもそれは、チームというか、仕事に対する考え方の相違でもあるので、 それは尊重すべき部分です。ただし、ただ自分もなく中身もなく、仕事に対して受動的な行動については、僕は改善する必要があると思ってます。
受動的であることには価値を見出すことができません。為す術がないのならともかく、
自分のチームとしての立ち位置や役割については、当人がきちんと理解して置かなければならないのです。
これは当人と、それをリードするリーダーにも責任があります。コーチングやマネジメントでなんとかせないかん分野ですね。
つまりチームが1つの目標に向かうには、それぞれのメンバーのお尻に火を付けなきゃ駄目なんです。
これを僕は「フライパンを温める」という比喩表現を使うことにします。 やっぱり、何事も美味しい料理を作るには適温のフライパンが無いと駄目なんですよ。 僕らが美味しく仕事をいただくにはチームとして完成された調理道具になっておかなければなりません。 そのためには、ムーヴメント = 料理 を行うために、準備運動をみっちり行うことが大切なんです。
まとめ
チームを作るのには時間がかかるんだよ。でもその時間は火を付けてフライパンを温めているようなもの。 十分に温まってはじめて僕らは本当の仕事(改善・革新・革命…)に取り組めるのだ。