シニアエンジニアの行き先
Updated Date: 2024/01/01 00:26
今日Twitterを見ていたら、「メルカリは素晴らしいかもしれないが、そこに中途採用で入った人は、どこかの会社が苦労しながら育てたエンジニアだ」っていうツイートがあって、なるほど一理あると思った。
反対意見としては「できる人は勝手に育つので、会社側に義理も人情もない」っていうこともあるだろうけど、
少なくとも勝手に育てるような(良し悪しはともかく)職場環境を提供してもらっていたというのは事実のはずだ。
いや、オレはその職場環境が嫌で辞めたんだ!って人は、嫌なことばっかりだったかどうかを思い返してほしい。
ブラック企業の場合、大抵のことは許してしまえるような忍耐力(笑)が身につくだろう。
ベンチャー企業の場合、ありえない程の仕事を自己責任で片付けることになるため、それなりに責任感やスピード、我慢強さ(笑)が身につくだろう。
大企業の場合、大きなフレームワークに沿って仕事をするので、自分よりだめな上司とかでもなんとかやり過ごすという広い心(笑)を手に入れられるだろう。
要するに環境というものは、人間関係を除けば大抵のことはプラスに転じることのできるものばかりである。
つまり、本当にその会社が嫌で辞めた理由というのは、だいたい人間関係の問題に帰着する。
それともう一点、これは誰しもが分かっているとおり、キャリアアップにおける選択肢の狭さだったり、
年功序列的に自分の給与も社歴とともに上がっていくという希望的観測だったり、
そのへんの会社とのキャリアプランのギャップとお金が理由になるパターンもある。
後者については仕事の能力や役職が社内でも認知されているのならともかく、
「オレは頑張ったはず」みたいに自分の主観評価だけで尺度を求めている場合は、そのギャップはなかなか埋まらない。
このパターンは多くの場合「何もせずとも優秀であれば誰かが価値を付けてくれる」っていう当人の考え方に原因があると僕は思う。
僕自身、それなりに真面目にAndroid向けのゲームを作ってPlayストアに公開している友人を知っているけれど、
彼の作品は良い出来であっても僕以外に知っている人が少なすぎて全くダウンロードされていない。膨大なPlayアプリに埋もれているのだ。
少し前に有名になったFlappy Birdも、人気Youtuberが見つけることがなければきっと同じ運命をたどっていただろう。
マーケティング(自分を売り出す)という行動は実力をみせつけ、運を呼び込むための手段なのである。
シニアエンジニアになるにつれ、先述したような辞めたい動機たちをたびたび経験することになる。特にSIerにおいては顕著で、
僕の知ってる多くの転職者の理由が「マネジメントしかキャリアがないけどしたくないねん」であった。
それはそれでいいと思うけど、そこに付随してやっぱり優秀なエンジニア力を見出してほしいとも思う。
純粋にエンジニアリングだけをやりたいのであれば、そのスキルをガンガン伸ばすべきだ。
要するに「マネジメントしたくねぇ」って思った時点ですでに自分にどの程度エンジニアリングスキルがあるのかを定量的に評価してほしいと思っている。
これができないシニアエンジニアは、多分どこに転職しても同じ気持ちになるんじゃないだろうか。最悪、後悔することにもなるんじゃないか。
逆に自分のスキル(優れたところ)を早めに見出したエンジニアは、どこへ行っても活躍する場を見つけることができるのではないだろうか。
まとめ
シニアエンジニアと一言で言っても、考え方や職場環境の捉え方は千差万別だ。 職場に必要なのは彼らの心のケアと、技術力向上のための客観的な事実に基づく評価をできるだけ定量的に出すことだ。
そんで、そこから会社をやめないで済むみたいな環境づくりと、逆に辞めてもらってもいいけどどこへ行っても通用するその人固有のスキルを身に着けさせる必要がある。
多分、そのあたりができればシニアエンジニアの行き先はたった一つ。ユートピアになるだろう。
ついでにいうとそういうシニアエンジニアの活躍には少なからず後輩も看過されて、組織全体の能力向上にも役立つと思う。
そんなシニアエンジニアに私はなりたいと思った平エンジニアであった。