bon now

ありのままの現実を書き殴る吐き溜め。底辺SEの備忘録。
Written by bon who just a foolish IT Engineer.

素人は命を扱うべきではない

Created Date: 2018/10/25 00:16
Updated Date: 2023/11/05 03:00
目次:

先日保護したばかりの子猫が死んでしまった。彼(♂なので)最後を看取った。まだ数週間の命だった。
午前中はとても元気で、排泄の世話をしていたときは舌を使って毛づくろいをしたり、あくびをしてニャアと鳴いたりしていたんだけど、 仕事の間病院に預けていて、受け取るまでの間にだいぶ体調を崩してしまったそうだ。 保護したときの体重から5g以上減っていたので、少しずつ弱ってきていたのかもしれない。 最後は血便も出ていて、苦しそうだったが、時折力強く動くときもあり生きようという意志が見て取れた。 僕はずっと、そのあいだ彼を応援することしかできなかった。

もし僕が正しい保護ができていたら救えた命だったかもしれない。
病院に数週間の間保護をお願いしていれば救えたかもしれない。
もっと早く保護しておけば、体力が低下する前になんとかできたかもしれない。 そういう後悔と問答ばかりが頭の中を行ったり来たりしている。

彼の遺体は休みになるまで家においてあげるわけにもいかないので、動物を火葬して手厚く葬ってくれるペット葬儀の業者へその日のうちに依頼した。 骨ももらえるとのことだったけど、僕みたいな人間がでしゃばっても何も救われないので、すべてを友達たちと同じ場所に埋めてくれるようにお願いした。

生きていれば、猫じゃらしで遊んだり、トイレトレーニングで追い回したり、一緒に寝たりいろいろやってあげようと思っていたけどすべては勝手な妄想になってしまった。 やはり命は簡単に扱ってはいけない。ましてや素人であれば、その命に真剣に向き合うべきなのだ。 とても勝手なんだけど、ちょっとだけ僕の思い出話をしようと思う。

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僕が子供の頃、実家ではオス猫を飼っていたが、彼は交通事故で死んでしまった。 僕は虫の息だった彼を見ていられなくて、布団に逃げ込んで泣いた。

また別の時期、今度は僕が高校生の頃、両親の飼っていた猫が病気で死んでしまった。 僕は、彼を殺した主犯だと今でも思っている。

1度、僕一人が家で留守番をしていたたとき、たまたま僕の部屋の窓をあけっぱなしで網戸だけの状態にしたことがあった。 その時はちょうど僕はリビングで何かをやっていたのか覚えてないけど、とにかく猫から目を離していた。 彼がいなくなったのに気づいて焦りながら僕の部屋へ向かうと、ちょうど僕の部屋の網戸を噛み破っている猫を見つけた。 そして猫はマンションの5階相当の高さからジャンプして外へ逃げた。

その後すぐに追いかけて猫じゃらしを使って捕獲したんだけど、 もしかしたらこの高さから落ちたことが原因で彼は病気になってしまい死ぬことになったんじゃないかと僕はいまだにそう思っている。 そして案の定僕はこの猫の病状の悪化に対して部活や勉強が忙しいという理由で見て見ぬふりを続けた。

猫が死ぬ前に、一度病院から家に帰ってきた時があった。 そして普段は絶対に僕の部屋で寝ないその猫が、そのまま僕の部屋で夜を明かした。 次の日は両親の部屋で。最後はリビングで。そして様態は回復することなく、数日後病院で息を引き取った。

受験生だった僕はその日から、猫を見殺しにした罪滅ぼしのために勉強に励んだ。 それからずっと、僕の中ではこの猫への罪が消えていない。


そして今回、僕はようやく命に対して真剣に向き合うことができたと思う。 それは、過去何度も逃げてきた猫の死にたいする冒とくを償うための贖罪だ。

僕は少しでも、過去の罪を償えたのだろうか。でも、今回逃げなかったのは僕のエゴなのかもしれない。保護したのもそうなのかもしれない。 すべては僕自身のためで、結局僕は自分のためにしか行動していないのではないか。そんな気もしている。 それでも、救えたはずの命を失ってしまったのには変わりない。僕はまた1つ罪を背負ってしまったのだろうか。 それとも救われたのだろうか。わからないけど、僕がまだ生きている以上、 これからも同じように命を見捨てないことを誓って行動することが彼らに対して、そして僕に対しての償いであることは確かだと思っている。

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