エンジニアとしての人事・広報的な動き方
Updated Date: 2024/01/01 14:47
しばらくのあいだ現職ではエンジニアのマネージャーとして働いているつもりではあるが、またも組織のマネジメントはせずに人事やってたりプロジェクトマネジメントやってたりしている。
一旦ここに僕がなぜ人事に全振りしているのかを自分語る。
最初にいっておかなければならないこと
マネージャーは仕事が与えられる側ではなく、作る側であるということだ。
なので僕は人事という仕事を作ったといえるし、そしてその仕事を誰かに与えるのもマネージャーの仕事である。
これは今のところ他に仕事を与えられるメンバーが残ってない(スキル的にではなく、単純に人手不足)ので無理=自分がやるしかない。これがスタートアップだ。
チャレンジしかない
つまりスタートアップのマネージャーはチャレンジしかない。
曖昧な事象について方向性合わせて当事者意識を持たせて取り組むってとても難しいことだよなと感じている。 これを簡単に言語化すると例えば子育てだろう。
まず、そもそも子供のいない独身者、夫婦、カップルにおいて当事者意識を持て!と言ったところで、そもそも想定でしか動けない部分は多い。逆に子育て家庭や育て上げた家庭であったとしても、子供の性別や性格、家庭環境や居住地などで育て方も違うだろう。
つまり「子育て」という割と誰でも想定しうる・体験しうるライフイベントでさえも前提は揃わない。そしてこのご時世では数ヶ月でさえも事業がピボット(方向性や戦略の変更)が発生するので、ことに会社や仕事において認識を揃えて各社員に当事者意識を持ってもらうなんてまあまあ困難なことではないだろうか。巷では「XXというフレームワークを使えばいける」みたいなことを述べる書籍やサイトで溢れかえっているが、絶対にそんな簡単ではないしむしろそこ以外のところで躓いている企業の方が多いのではないだろうか。
この問題にちょっと切り込んで考えてみた。
結論から言えば、これは「言語化不足」だと思っている。
なぜあのチームは成功するのか
そもそもこの考えの出どころをどこにも語ってないのでここで語ると、僕が担当した学生向けのチーム開発プロジェクトでメンターとなったことがきっかけである。
僕は複数チームを担当することになり、それぞれのチームに毎週50分くらいのメンタリングをやっていた。そこで感じたのが「上手くチーム開発が進むチームとそうでないチームの差」であった。色んな本で書いてあるとおりではあるのだが、その差ってなんだっけ?ってのを自分の体験を通じて学ぶことができたのは良い機会だった。
ということで、複数チームを見て感じ取れた「これはうまくいくチームだな」と思った点を簡単に挙げると、まぁ分かりきってることでもあるが以下のとおりだ。
- 引っ張るリーダーがいる
言葉として伝えることがスタートライン
リーダー不在のチームへの対処
信頼欠如のチームへの対処
曖昧なシステム、曖昧な組織
1on1でのメンバー間での目標設定などで目指す先のキャリアや身につけるべきマインドみたいなのをお互いに認識合わせようよというものを経験してきて、いまいち上手くいかないパターンがあったのはなんでだろう?と振り返って考えてみました。
僕の個人的な結論としては「暗黙知の理解や把握に相違が有りすぎる」ということです。
評価する側とされる側、1on1する側される側、事業を経営する側働く側、プロタクトを考える側実装する側……どの面で切り取ってもこの問題は絶対に存在している気がします。 これはOKR、MBO、1on1、KPI…など、どんなフレームワークを使ったとしてもお互いが認識している前提が曖昧なままでは全然意味がないということです。
階層構造の組織を前提とすれば、例えばKPIやOKRの最上段は経営層がリーダーやマネージャーに一言一句伝え、マネージャーはそれを自分の言葉で言語化できるレベルに落とし込んだ上で部下やメンバーに展開する。。そういうトップダウンの仕組みに加えて、今度は逆に部下・メンバーが語る言葉をマネージャーが抽出し経営層へ、経営層は直接部下・メンバーからのフィードバックや意見交換できるコミュニケーションを作るというボトムアップのアプローチを組み合わせることでようやくまともに認識が揃ってくるのではないかと感じます。
両利きの経営という考え方にも事業単位での分離が推奨されているようですが、個人的にはこれはリスクヘッジだと思っていて、事業単位で前提となる戦略や文化が変わる可能性が高い場合は、そこの前提条件を分けることが大事だよということなのかなと捉えてます。(本読んでないけど)
とにかく組織戦略や文化醸成に関わる人たちはもっと自分の意見や考えをアウトプットしていって、非同期的に「この人ってこんなこと考えて仕事してるんだなぁ」と、部下やメンバー、他部署、取引先の人たちに思ってもらえるようにしておけば、ある程度の前提条件は揃えることはできるんじゃないかなと思った次第でした。